2009年12月03日

もう、ずぶ濡れの ハト

近づくと、

そのずぶ濡れのハトは、湿ったゆっくりの羽音で低く短く飛び去った。

ほんとうは、もう、とっくに飛べないはずなのに。

そのハトは、自分は飛べるという、疑いようのない確信の力で、見事飛んだ。

その姿に、哀れさの欠片すら感じることがなかったのも、きっと、自分は飛べるという、疑いようのない確信の力だ。

その姿がどのハトよりも強く勇ましく映ったのも、自分は飛べるという疑いようのない確信の力だ。

どうか

どうか、若い人たち、厳しい自然
あのハトの確信に疑念を抱かせたりしないでください。
本当はもう昔とは違う、弱い自分になっている現実をわざわざ突き付けないでください。

それが自然の摂理で、あるべき結果だとしても
僕はもう少しだけ、あのハトが見事飛ぶ姿を眺めていたいのです。

posted by みなみで at 15:01| Comment(0) | TrackBack(0) | ・書き物(短文、詩) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック