2016年11月26日

明後日まで内緒にしておく、作品によせて

二十代前半のころ、学習塾を経営していた。経営とは完全に大げさで田舎町で寺子屋みたいな塾の自営業していた。トラウマになるくらいしんどい時期があった。熾烈な生徒捕獲競争の中、世間知らずの若造は、遠慮のない大人の大手の洗礼を徹底的に受けた。
芝居をしようと学習塾を畳み大阪にでたとき、大手の予備校で講師のアルバイトをした。アルバイトなりに、あの、敵だった容赦のない大人の大手側に立った。
今思えば稚拙なところもあるけど、自営業の学習塾に比べるとはるかにシステマティックで随所が徹底していて先生方も誇りを持っていた。業界において無敵に思えた。
その予備校は今はもうない。子供が減った。そして、もっと大手にやられてしまったのだ。

生徒たちの目標や夢をサポートすることを商売とすることに、やりがいと矛盾を感じた。
でもそれを必要とする子供がいたし必要とする世の中があった。
もっとそれをかなえる雰囲気を持った集団によって淘汰された。
この現象において、誰もがそれぞれに持つ立派で尊い良心と責任に基づいて行動していて、誰も悪くないように思えた。先生がたも生徒たちもほどよく精一杯だった。強く弱く。潔癖でずる賢い。自分がまだ若かったこともあって、なおそう感じた。

演劇で掬い取りたい素材。衝動にかられやってみた。
今回は半ば演出との共同作業で作品を作ってみたのは、強すぎる思い入れを緩和させる必要があったからなのかもしれないと思う。
あの日見たあの空間の本質はこの作品の中に確実に息づいています。

明後日まで内緒にしておく、のタイトルみたいに、
あの日悔しくて恥ずかしくて言えなかったことを、綴ります。
posted by みなみで at 18:51| 大阪 ☁| Comment(0) | らまのだ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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